2016-05-13

Chris Cohen / As If Apart


Chris Cohenのことは正直に言うとDeerhoof、Cass McCombsといったバンドに在籍していた時のことや、彼のバンドであるThe Curtainsのこともよく知りませんでした。
ただ、ソロ名義でのデビュー作「Overgrown Path」の曲を、偶然聴いて、からだの細胞がぱっ、と開いたような感じがして、何度も聴き込んだという経験がありました。
(↓前作「Overgrown Path」収録)

だから今回また、あたらしいアルバムが発表される、と聞いていてもたってもいられない気もちになったのです。
そして公開された先行シングルがこの曲。

彼はいわゆるマルチ・プレイヤーで、前作同様今作も、あらゆるパートすべて自分ひとりでレコーディングしています。まるでトッド・ラングレンのように。
今までいろいろなバンドにツアーのときやレコーディングや、いろいろな楽器で参加していて経験も豊か。
あるときはドラムを叩きながら、あるときはギター、そしてピアノを弾きながら歌う彼なのですが、そのマルチな才能はもちろん、とくにこころつかまれるのがなんといっても彼のスモーキーでやさしい歌声。
お父上が音楽関係の仕事をしており、音にふれることが自然であったけれども、やはり父と息子、グレイトフル・デッド嫌いだった父に反抗するように、ティーンエイジャーのころからデッドヘッド(熱心なグレイトフル・デッド・ファン)になったという音楽遍歴も垣間みれる、その多様性。
そんなことがうなずけるサイケデリックでほろ苦い旋律、ころころと変わるコードの進行に迷宮入りさせられてしまいそうなかんじ。前作もそうでしたが、この2作目でさらにその完成度がぐっとあがっているような気がします。
いままで住んでいたL.A.から少し離れたバーモントの農場ではたらきながら紡いでいったという今作、まるで桃源郷のような、浮き世のことをわすれるのにぴったりなアルバムだな、と思います。

お店の商品ページ→ (LP) Chris Choen / As If Apart (new)
お店はこちら→ CLASSICS RECORDS

2016-05-08

FLASHLIGHTSについて書く


デビューシングルでもある、コードとのスプリットシングルも即完売。
FLASHLIGHTS待望の1stアルバムがSTAY FREEレーベルより遂にリリース!
************************************
初めてREOのサウンドを知ったのは95年『米国音楽』Vol.5に付録で付いていたCapsule Giantsの音源だった。
そのサウンドは、80年代のギターポップを、良い意味で(当時)90年代の自分達のサウンドとしてアレンジされたプリミティブなギターポップ。
その後活動の拠点を東京に移した彼がNeon Groupとして活動をはじめた。
それがあのCapsule Giantsのメンバーだと知る。
これはただの予想でしかないけれど、Vo.のREOの頭の中にはかねてからこのアルバムにあるサウンドや世界観がイメージされていたと思う。
そんなイメージを見事に具現化したとしか思えない。POP且つサイケデリック、ラウドなギターとクールなメロディが交差。一度聴いたら耳に残り口ずさみたくなるメロディ。60'sビートバンドを思わせる甘さと(The Knocksとして活動している)Gのヒロシのパンキッシュなサウンドが絶妙に重なる!!
冒頭の夜の始まりを感じさせる「Fall Feeling」たたみかける様な「Sweet Night Sweet Heart」前述のシングル曲でもある「Shadows」からのラストまでの流れがたまらない。「終わりかけのサタデーナイト」はFirestarterの「SATURDAY NIGHT (IS THE END OF THE WORLD) 」と並ぶ週末讃歌と思う。Yokoとのヴォーカルの掛け合いもクールな「Urban Lou」も最高。
すべてが詰った1枚。眠らない俺たちの夜のBGM。夜は君がいないと始まらないぜ。
FLASHLIGHTSと夜の待ちへ繰り出そう!

お店の商品ページはこちら→ (CD)FLASHLIGHTS / SHADOWS and LIGHTS (new)
お店はこちら→ CLASSICS RECORDS